三瓶中学校
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三瓶のハンドメイド第2回 -生き物の彫刻-


三瓶町七区で飲食店をされている井上昭彦さんは、趣味でたくさんの木工彫刻品を作ってられると聞きました。 いったいどんなものか、取材に行ってきました。 ------

この趣味はなんとお呼びしたらいいでしょう?カービングなんでしょうか。

バードカービングというのは外国のほうから来た。日本のは昔から彫刻いうのがあるやろ、彫刻いうたら、ほれ、のみとか、彫刻刀いう。 こういうのは彫刻刀で仕上げるやろ、カービングいうがは先端工具でこれ、グラインダーとか付け直してバーニングペンとかね、彫刻刀で仕上げるいうたら、こう、どがいするかの、じゃから。こういうのは適当かどうかね、カービングいう表現はしたくないんよ。彫刻なんよ。のみとか彫刻刀使うのはまさに彫刻なんよ、ほやから鳥の彫刻という表現をしたい。

いつぐらいから始めたんですか?

もう、15年くらいかね。ボクの場合は趣味でね、売ったりとかはせんのよ。なんでせんか、いうたら、あのー、ひとつでも売ると、商売になるからの。 我々はモノのない時代に生まれとるからね。モノをちっちゃいときに、身近なものを自分で作る、そういうところから始めとるから、自分の時間ができた時にしようかなーと。それと同時に日曜大工で自分の家とかやりよって、その延長線上にこれをスタートしたんよ。いろんなものを作ってるけどね。 今から見る?いろいろ。

まず、図面を起こす。 図鑑とか、自分がウォッチングしたりね。そういうもんからまずおこさいね。本当は表情も移しこんだらいいんよね。何回もしよるから、展開させんのよ。これ、同じものやけど表情ついとらいな。作るときにつけるんよ。静止形で作るといきいきした感じがせんのよ。ちょっと動きつけると、鳥には鳥の動きあるから。表情付けるには、ウォッチングしとかんと。最初は分解しとったんよね。こういう動きつけるには、上からみたらこうとか。展開図を作るわけよな。それせんても、慣れてきたから、静止形の図面で。

これなんかは角材。彫刻の。それからこれは止まり木ね。これはようするに流木を拾いよるんよ。できたものをいろんなところに止まらせよるんよ。

これ、商売でなく趣味でこれだけってすごいですね

この家も全部手作りやからの。 原木は買(こ)うて製材してもらう。店のまわりあっちこっちに材料おいとる(笑)。

明らかに趣味の領域を超えた作業部屋にただだた絶句・・・!しかもこの作業部屋自体が、家を拡張して作った手作りなのです。






とても全ては紹介しきれません!家の中、あらゆる場所に作品があります。竹とんぼひとつとっても様々な木材を試したりバランスを変えたりと非常に工夫されており、その質と量に圧巻です。

家の増築から始まりゴム鉄砲や竹とんぼなどのおもちゃ、そして鳥などの生き物の彫刻へと、井上さんの作る対象は変わってきています。

経営されているお店と趣味を関連付けて紹介されることを嫌がっておられるのも印象的でした。お店は三瓶の人なら誰でも知っている、中学校近くのハイカラなお店なのですが、飽くまでも趣味は趣味として、商売にしたくないという気持ちがおありなのでしょう。

話は浜辺での流木・貝殻集め、さらには政治経済にまで及びました。この旺盛な好奇心・探究心により作品が作られているのだろうと感じました。