三瓶高等学校
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太陽と海につつまれた 生活と文化のまち三瓶  所在地:愛媛県西予市三瓶町 >  MAPで確認

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イッチキチミチキタ ─三瓶の社会科見学─
第2回 愛媛産業(2/3Page)

陸組の手際のよさ
上がりきるかきらないかくらいのところで数名の方が折り重なってる網の真ん中辺りを開きだしました。 見に行くと…え?何かあります?あ、さっき内宮さんが付けた白い紐がありますね。

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と、3〜4人の方がはさみで網をチョキチョキ切り出しました。
「何をしているんですか?」
「ん?ここ破れとるやろう。」
「…(たぶん紐が付いているのでそうなのでしょう)…。」
「ここからここまでな。切ってな。別の網に差し替えるんやな。」
「…(え?どこからどこまで?)…。」

なんでこんな折り重なった網で「ここからここまで」ってすぐ分かるのか、私にはまーったく分かりませんでした…。

切ったかと思ったら、今度は皆で竹の棒に糸をくるくる巻きだしました。この竹の棒みたいな物は網を縫う針、通称「網針」だそうです。道具箱を拝見すると糸だけでも様々な太さがありますね。網によって使う糸の太さも変えなければいけないようです。

糸を巻いた網針を皆で持って誰が指示するともなく適当な人数でまとまり、それぞれ破れた箇所へ移動して縫い始めました。 本当に手際よく、次から次へと作業が進められていきます!

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針を見せて頂き、写真を撮ったり質問をしたりしていると、内宮さんは手を休めずにこっちを見て『そがい珍しいが?』という不思議そうな表情。

はい。珍しいです。

「お姉ちゃん、写真は新聞か何かが?」
「いいえ、インターネットです。ホームページにのせます。」
「ホームページ言うたら、世界中の人が見れるやないが!?」
「まぁ…そうですね(文章は日本語ですが)。」
「ちょっと、ちょっと!そこの独身の人撮っちゃってや!」

あ、いえ…ミカメジャーナルで世界規模のお見合いはちょっと難しいかと…。

作業は丸1日がかり。夕方に修繕した網を船につみなおし、終了です。

「まき網漁」ってどんな漁?
愛媛産業さんで行っている漁について、社長・山本さんに詳しく聞いてみました。

─まず全く知識がないんですが、愛媛産業さんでやってる「まき網漁」ってどんな漁なんですか?

「あの大きい網は…こんなこんな(絵を描く)…パンツみたいな形な、そんな形になっとる。

それを…巾着袋あるやろ、あれを逆さにして紐を締めるみたいにじわーっと締めていくんやな。そして魚を捕る方法やな。」


資料提供:(有)愛媛産業
「まき網模型実験水槽」

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─巨大な巾着袋で魚を捕るんですね。あの巨大な網を使って1隻だけで漁をするんですか?

「いやいや。 まず本船(えひめ丸)な。本船が網積んどるけんな、これが80tで36m。それから運搬船。本船が捕った魚を積むやつな、これが120tで39m。そして灯船(ひぶね)、あかり付けて魚おびきよせるのな。これが2隻あって19tで25.5m。

この4隻1組で漁に出るわけやな。

網を乗せてる船が13人、運搬船が4人、灯船が1隻2人と1隻3人。全部で22人で漁に出る。」

─4隻1組での漁だなんてすごく大掛かりですね!

ソナーとかで魚を探して、だいたいここに魚がおる、魚種までほぼ分かるけんな、そこで網をひくんよ。

網をダーンと撒いて、引き上げる。撒くのは10分くらいなもんやけど、引き上げるのに2時間か2時間半くらいかかるかな。それを魚が多い時には一晩で4回くらいやるんよ。

運搬船は大量に捕れた時に活かしたまま先に魚乗せて運ぶ。網が大きいから上の方は泳ぎ回りよるやろ、これを活かしたまま一度運搬船に積み込んでいくんやな。」

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