三瓶中学校
好きだから・・・三瓶 みかんず(c)studio tama,syu

太陽と海につつまれた 生活と文化のまち三瓶  所在地:愛媛県西予市三瓶町 >  MAPで確認

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イッチキチミチキタ ─三瓶の社会科見学─
第2回 愛媛産業(1/3Page)

三瓶町内の企業や商店でどんなお仕事が行われているのか見てみようという、社会科見学のコーナー「イッチキチミチキタ」。
第2回目は海のあるところならではのお仕事を取材です。

「イッチキチミチキタ」=「行ってきて見てきた」の三瓶弁。この後に「もんちくらぃ(戻って来るよ)」を付けて「イッチキチミチキチモンチクラィ」と呪文の様に使用される事が多い。別に行って見て戻って来たわけでもないのに、チッチチッチ言うのが面白くてつい言ってしまう三瓶人もいる。



海はヨ〜海はヨ〜 でっかい〜海はヨ〜
この企画をスタートさせて直後、こんなメールを頂きました。

私は他県から3年程前に三瓶町にお嫁にきた者です。お店ではないけど、三瓶の養殖業、漁業、みかん、養豚などの現場を見てみたいです。ぜひレポートお願いします。

なるほど。確かに漁業やみかんが三瓶の主要産業だとはいえ、何十年と三瓶に住んでいても関わりがなければ知ることがないですよね。そこで!今回は漁業に注目。80t船のまき網漁について愛媛産業さんに教えて頂くことにしました。

…なんですが、さすがに何にもしらん主婦が船に乗せて頂くのはかなり!お邪魔ですから、今回は陸(おか)でやるお仕事にスポットを当てて取材してみました。

風流な(?)お休み
12月半ば。この日は月に1度、通称「陸(おか)組」がえひめ丸から大きな網を陸に上げて修繕する日だと言う事で行ってまいりました。

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旧暦15〜18日は通称「月夜休み」と言って、漁がお休みの日。

旧暦のこの日は満月になるので海全体が明るくて船の明かり(水中灯)に魚が集まらない…つまり魚が効率よく捕れない…というわけで昔からの風習で海の仕事はお休みなんだそうで、その日に陸に網を上げるんだそうです。

「月夜休み」だなんて、なかなか風流な名前ですね。

繊細な陸(おか)の仕事
私の想像ではもっと「ばさぁぁっ!」と豪快に網を降ろすイメージでしたが、現場では20人以上の方々がちょっとずつ、ちょっとずつ、慎重に網を降ろしています。

しかし。長い。 すんごい長い、この網!

「長さはメートルで言うたら…約1,200メートルやな。そんで、丸々買うとしたら×××円くらいするんやで。」

…と社長がぽろっ…とおっしゃった値段は「ええええええ!?」です。そりゃ慎重にもなります!単位がもぅ違います!値段書いたら泥棒に持っていかれそうです(いや、こんな重たいもの簡単には盗られないと思いますが)。

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皆さんの作業を見ていると、ゆっくり降ろすのにはもっと重要な意味があるのに気が付きました。 破れた箇所をチェックしながら降ろしているんです。破れた箇所を見つけると 「おばちゃん!ココ!」 と声をかけます。紅一点!内宮さんはそこに白い紐で印を付けます。

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ぶ厚く折り重なった網のせいで、傍から素人が見ているとその白い紐を付けたところがどのくらい破れているのか、本当に破れているのかさえ分からない程です。漁労長の笹方さんと、「モンちゃん」こと井上さんが指揮をとりながら、陸(おか)組皆が協力して網はゆっくり船から降ろされ重なっていきます。

網が重なるにつれて、朝日もゆっくり顔を出し始めました。 で。丸々2時間後のAM9:00。 やっと全部の網が陸(おか)に上がりそうです!

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