第3回 三瓶共同選果場(前編)


イッチキチミチキタ ─三瓶の社会科見学─
第3回 三瓶共同選果場(前編)
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三瓶町内の企業や商店でどんなお仕事が行われているのか見てみようという、社会科見学のコーナー「イッチキチミチキタ」。

いやー…記事を書き終わってから、そういえばもう4、5年前にそんなコーナーも作ったなぁと思って…無理矢理このコーナーの記事として差し込んだわけですけども…。

第3回目は三瓶といえばみかん!というわけで、三瓶共同選果場にお邪魔しました。

みかん生産は三瓶の基幹産業なのでいつかは取材したいなと思ってはいましたが、なかなかきっかけがなく…。

しかし今年「東京でにしうわみかんのCMを見ました!」というメールや「CMでやってるにしうわは三瓶町も入るのですか?」などのお問い合わせを頂き、やはりこれは三瓶のみかんを広めるべく取材しなければ!と重い腰を上げましたヨ。

前編は選果場の様子を、みかんの流れとともにお伝えします。
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浜に建つ選果場。みんながよく知る建物ですが、中を見たことがある方は少ないのではないかと思います。

選果場を案内して下さったのは、事務所長の坂本さん(右)、選果部会委員長の二宮さん(左)、同じく副委員長・生産委員長の桜田さん(中央)です。

普段は自分たちの畑でみかんを作りながら、この選果場でもお仕事をされてるという事ですから、みかんの事なら生産から流通まで詳しいスペシャリストです!

それでは順を追って見ていきます。

まず三瓶で生産されたみかんは各農家さんである程度の品質・大きさに分けられた後、この三瓶共同選果場に持ち込まれます。

そして農家さんが持ち込んだみかんは、コンテナに入ったままベルトコンベアで選果が行われる2階へ行きます。

ちなみにコンテナとはみかんを入れるプラスチック製の箱(黄色や灰色が多い)で、ひっくり返すと椅子になったり、踏み台になったり、テーブルになったりと色々便利で丈夫なアレです。

まず目視で選果。ここで、目視でもはっきりと分かるくらい傷んでいたり、商品にするのは難しいと思われるみかんを人の手で取り除きます。

さらにもう一度目視での選果の後、細いベルトコンベアに乗せられるみかんたち。ローラーすべり台(?)のようなコンベアに乗せられ、専用ブラシでキレイになります。

その後選果場のブレーンともいえる「光センサー選果機」登場!

この光センサー選果機を通せば、みかん1つひとつについて糖度・酸度はもちろん「着色度」とか「傷害面積」なども分かってしまうのです。

そのデータはパソコンに送られ、管理されています。

毎日たくさんのみかんが来るわけですから、ものすごい速さで判別、データ化がされていきます。

『コノ ミカンハ 糖度・酸度・着色度…ナド 分析 シタ 結果、特秀ノM玉 デス ピピッ…(イメージ)』
と瞬時に認識され、その数値結果によって等級が分けられます。よく箱の側面などにスタンプしてある”特秀”とか”優”とかいうものですね。

光センサー選果機を通ったみかんは、黒いベルトを進んでいきます。写真で見ると黒い1本のベルトコンベアに見えますが、1本のベルトではなく、みかんが黒いお皿に1つひとつ乗っているようなイメージで見て下さい。

センサーで「特秀のM玉」と認識されたみかんが、特秀のM玉を選果するおばちゃん…いや失礼…”特秀のM玉専門の選果ガールズ”…の横に来た時に、そのみかんのベルトの部分だけパカっと開き、みかんを下に落とします。

落ちたみかんはさらに下に流れるベルトの上に落ち、特秀のM玉専門の選果ガールズの手元へと流れていきます。

ものすごい効率化ですね!こんなに効率化に感激したのは、初めて回転ずしに行った時以来です。

ちょうど選果場にチャイムが鳴り響き、機械がストップして、休憩時間になりました。

寒い中で立ち仕事は大変ですね、とお話すると

「今年は裏年やからかね、みかんも少ない方やし、まだまだ今からが忙しいんよ。今はまだヒマな方よ!三瓶のみかんはおいしいけん、いっぱい宣伝しとってよ!」

豆知識:みかんの「表年」と「裏年」
温州みかんがたくさんなる年を「表年」、逆にあまりならない年を「裏年」といいます。温州みかんは表年と裏年を交互に繰り返します。
実をいっぱいつけ使いすぎると、翌年には休んでエネルギーを蓄える…といった具合に、みかんの木自体で実がつき過ぎないようにコントロールしているんだそうです。
関連リンク:ミカン 表年、裏年って何現すの?(JAグループ福岡)

持ち寄った水筒から暖かい飲み物を出して、皆でワイワイ楽しそう。選果のお仕事は体力も神経も使い、さらに寒さとも闘う重労働だと思うのですが、皆さん世間話に花を咲かせながら笑顔。

三瓶のみかんに誇りを持って作業されていました。

こうして品質のデータ化と何重もの目視と機械で厳しく選果され、やっと製品として箱詰め、計量され、主に関東地方に向けて出荷されることになります。

この中で最高品質のみかんについて、三瓶選果場では独自ブランド「しずる」を銘打ち、黒い専用箱に入れて出荷しています。

JAにしうわ管内では、「媛美月」や「日の丸みかん」、「密る(みつる)」「媛匠(ひめのたくみ)」「濱の姫」など、それぞれの共同選果場でブランドみかんを出しています。

そんな中、三瓶共同選果場ブランドとして誕生したのが「雫流(しずる)」です。

先ほど紹介した光センサー選果機で、糖度と酸度のバランスの整ったみかんのみを選び抜いています。贈答用にピッタリの商品ですよ。

ただいま、JAにしうわホームページからも購入できます!
JAタウン 『しずる(雫琉)』 約5kg Mサイズ

また、現在CMにあわせてクレヨンしんちゃんパッケージのみかんも関東に向けて出荷中です。

こうしてみなさんのお手元に三瓶産のみかんが届きます。

みかんの流れが分かったところで、次回は坂本さん、二宮さん、桜田さんからお聞きした、最近のみかん事情についてお伝えします。

県外にお住まいの方必見!多少みかんについて詳しくなり、ご近所さんや職場の仲間にみかんを配りながら知ったかを披露できること間違いなしです!

お楽しみに。

関連リンク
クレヨンしんちゃん出演「にしうわみかん」CM放映中(ミカメジャーナルニュース)

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