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そうだ、四国西予ジオパークに行こう♪須崎海岸・屋形船編

2014年4月25日 金曜日

特集取材するガヨ(特集タイトル)
特集アイコン(水)そうだ、四国西予ジオパークに行こう♪
第1回 須崎海岸・屋形船編
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突然はじまりました「そうだ、四国西予ジオパークに行こう♪」。これから夏にかけて約3~4回くらいで(適度に)、三瓶町にある四国西予ジオパークの見どころを紹介します!

…といっても「見どころはここですよ~(見どころの写真)。」と言うだけでは、どうやって観光していいのか分からないと思いますので、具体的にどういう楽しみ方があるのか?体験レポートしようという企画です。
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ところで「ジオパーク」って何よ?

geopark-logo皆さん、2013年9月24日、西予市一帯が日本ジオパークに認定されたのをご存じでしょうか!

「ジオパーク」とは、ジオ(地球)に親しみ、ジオを学ぶ旅、ジオツーリズムを楽しむ場所のこと。この「ジオパーク」という言葉には自然の原風景だけではなく、そこに暮らす人々の営みや文化も含まれています。なので「ジオパーク」とは西予市全域、自然とか人とか町並みとか…ぜ~んぶ!の事を指します。

日本ジオパークネットワーク
四国西予ジオマップ
四国西予ジオパーク構想(せいよ物産観光サイト)

西予市では、城川、野村、三瓶と東西に渡って、約4億年前の古い地層が見られます。そして我らが三瓶町の須崎海岸では、約4億年前の地層が縦に隆起して見られます!約4億年前という古いふるい地層は、国内でも珍しいそうです。

まぁ、さらっと『須崎の地層は約4億年前のものですよ』なんて言われてもピンとこないのですが…ええっと、恐竜が出現したのが2億5千万年前とのことなので…恐竜が生まれるよりもっと古い地層ということになり。

うーん、実感がわきません…。

そこで今回、みかめ本館さんの屋形船クルーズに参加させて頂き、須崎海岸の魅力を皆さんにお伝えしよう!そして私自身もその壮大なる歴史を体感してこよう!ということになりました。

※決して取材を装って屋形船に乗ってみたかったとか、そういう理由ではありません。

屋形船で見る須崎海岸

須崎海岸は陸からも階段・遊歩道で向かうことができますが、海から見るのも格別なんだとか!

geopark_1-07冬の間は波が高いため屋形船クルーズはお休みだったのですが、今年は今日が運行はじめとのこと!天気も良く、最高のクルーズ日和となりました(^^)。

予約していた時間にみかめ本館ロビーに集合し、すぐ目の前の船着場に移動。屋形船「住吉丸」に乗り込みますよ♪

まだまだ肌寒い時期、船なら余計に寒いだろう…と、防寒具を持参して来ましたが、屋形船の中はエアコン完備…心配無用でした。

もちろんトイレもあるし、カラオケもあったりして中で宴会も楽しめます。さらに今回、私たちはちょっぴり豪華なランチ付きです♪

いざクルーズスタート~!

出航してしばらくはお食事タイム。みかめ本館の社長さんがジオガイドとして、いろいろなお話をしてくださいました。私たち全員、地元三瓶人ばかりだったんですけど、知らなかった三瓶トリビアをいくつも披露していただき、「へ~~!」と感心するばかり。

geopark_1-01食事はご希望や予算にあわせて注文できますgeopark_1-02寝観音の頭部分(?)に近づいてきました

ヒラメの養殖場など、普段遠目でしか見られない場所などを通過しながら、いよいよ須崎海岸の近くにやってきました。

船のスピードもゆるまり、海上から見る縦の地層の岩場は、とてもダイナミック!

今目の前に広がっている地層は、すごい遠くから信じられない時間をかけて移動してきて、ちょっとずつ縦になって盛り上がってきて…って考えると、時間の流れが果てしなさすぎ!ちょっと、この壮大さは写真では伝わりにくいかも。

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地球ってすごい!

というか、人間て、なんてちっぽけなんだー。と。

みんな窓側に座りなおし、窓を開けて波風を感じながら、素晴らしい景色を堪能しました。

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須崎海岸を過ぎたあとは、周木の巴理島をぐるっと周り、八幡浜市の大島を眺めつつ、沖合へ。それまではほとんど波はなかったんですけど、このあたりから潮の流れが変わって波が立っているのを感じました。

やっぱり内陸とは全然違うんだな~。

あっ、酔いやすい人は、事前に酔い止めを服用することをお勧めします!すごく揺れるなんてことはないのですが、定期的な小さな揺れ、弱い人にはまぁまぁ…キます。私は酔う方ではないんですが、体調次第なんでしょうか、今回はちょっと酔うかも・・・?という感じになり、急いでご飯をかきこみました(笑)。

geopark_1-09周遊コースの一例です ご希望の時間や天候によって変更されますその後、方向音痴の私にはどこをどう走っているのか不明でしたが…おそらく南地区の方に向かっていたのでしょう、福島が見えてきました。くるっと回って今度は南地区から三瓶湾を帰っていきます。海からも、あらパークや、かくれの里のあずま屋が見えました!かくれの里のツツジが咲いている時に見たら、海からも見えそうだなぁ~と思いながら。

航路なんですが、社長さんが「コースは船長任せです」と言われていたので、波の高さとか乗船メンバーの地元とか船長の気分(笑)とかで、微妙に変わりそうです。

そしてみかめ本館前に戻ってきて、約90分のクルーズが終了!優雅にぜいたくな時間が楽しめました♪

地元の方でも!お客様のおもてなしにも!

よく見ているはずの須崎海岸、よく見て知っているはずの三瓶の風景…自分の町を海から眺めているだけなのに、とても新鮮な気持ちで楽しめました。私たちがまだ知らない三瓶町を堪能できたひとときでした。

お客様のおもてなし観光にもいいですが、地元の方が利用しても新たな発見や驚きがあり、十分楽しいと思います。サークルでの慰労会や懇親会でのぷち贅沢にもいいかも。

ぜひ1度は楽しんでみてくださいね!(レポート:編集部F)
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みかめ本館 屋形船クルーズ

屋形船チャーター料金:37,500円(税別・食事別)旅館オーナーさんのガイド付き!
・1週間前の予約が必要です。
・お食事の有無、内容、お食事場所など、みかめ本館スタッフさんが人数やご予算にあわせて対応して下さいます。まずはお問い合わせください!
電話:0894-33-2001ホテルみかめ本館

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※この体験レポートは2014年3月8日現在のものです。遊覧コースの詳細や営業日、料金等はご利用前に「みかめ本館」まで必ずお問い合わせくださいね。

第三回 三瓶共同選果場(後編)

2012年12月23日 日曜日


イッチキチミチキタ ─三瓶の社会科見学─
第3回 三瓶共同選果場(後編)
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三瓶町内の企業や商店でどんなお仕事が行われているのか見てみようという、社会科見学のコーナー「イッチキチミチキタ」。

前編に引き続き、後編ではみかんのお話色々です。前編でもご紹介した、坂本さん、二宮さん、桜田さんにお話を伺いました。
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酸味?甘味?みかんの好み!

三瓶選果場の高品質ブランド「しずる」
選果場の皆さんのお話によると、みかんも地方によって好みがあるんだそうです。

私は甘さだけではなく酸味もそこそこあるみかんが好みです。甘いだけのみかんだと、なんだか物足りない気がするんです。それでやっぱり小玉ですね!あのパツパツの皮にぎゅっと詰まった感じ!

三瓶の方なら分かって頂けますよね!?

だから贈答用は別としても、日本全国やっぱりちょっと酸っぱい小さいのが一番ウケがいいだろう…とばかり思っていました。

ところが関東で最近人気があるのは、酸味が苦手な人が多いせいか酸味がかなり抑え気味の、甘みを多く感じるみかんなんだそうです。

他にも千葉あたりでは、地元や西では人気のない超大玉が人気なんだとか。大きい方が見栄えがいい…縁起物かなにかの名残りでしょうか。

地域にあわせていろんな好みがあるんですね。

物が豊富にあり、消費者が味の好みに敏感になってきている時代ですから、市場への出荷の際は地方ごとの嗜好も考慮しているそうです。

そこで前編でご紹介した光センサー選果機が必要になってきたんですね。マーケティングもなかなか大変です。

「みかん」と言ってもいろいろ

他県の人にとって「愛媛=みかん」のイメージはいまだ強いのですが、実は近年みかん生産量1位は和歌山県で、その他静岡県や熊本県なども生産に力を入れています。

桜田さんに「にしうわみかん」のウリをお聞きしたところ、「きめの細やかさ」と「適度な糖度と酸度でコクのある味わい」だそうです。

みかんの「きめ」とか「コク」とか言われてもピンと来ない方は、ぜひにしうわみかんと他県のみかんを食べ比べてみてください。みかん好きだったら「きめ」とか「コク」とか、桜田さんのおっしゃった良さが分かって頂けると思います。あと引く味わいですよね!

西宇和管内で栽培されている柑橘…この他にもありますよ
さて、代表的な温州みかんの他にも他産地との差別化や現代人の嗜好、気候の変化にあわせて、いろいろな種類の柑橘を三瓶町内で生産しています。

左の画像「西宇和のかんきつ」を見て頂いたら分かると思うのですが少しずつ旬がズレていて、4月くらいまでいろんな柑橘を収穫することができます。

中でも三瓶共同選果場が特に力を入れている柑橘が「清見」と「ニューサマーオレンジ」。

清見は新品種の母と呼ばれる程、最近の新しい柑橘の基になっている柑橘。濃厚な味です。


また、三瓶の特産品・ニューサマーオレンジは果肉のまわりの白いふわふわがおいしい珍しい柑橘で、りんごみたいに剥いて食べます。生食用に出荷する他、選果場ではオリジナルでジャムを作って販売しています。

さっぱり、香りのよいニューサマージャム

そういえばニューサマーオレンジ最大の謎といえば、地元の人たちはなぜか「ニューサンマ」と呼ぶこと。

ニューサマーオレンジを知らない人に、つい「ニューサンマ」と言ってしまうと「それみかんなの?新しい品種のサンマなの?」と、魚と思われることが。

これは三瓶町が海のそばだから「サンマ」になっちゃったのか?でも三瓶でサンマ獲れないしなぁ?

ちなみに私は「せとか」がお気に入りです。2月頃に潮彩館に買いに行くと形は悪いけど味はおいしいのがお手頃価格で買えるんですが、選果場の皆さんのお話によると

「贈答用は1個1000円くらいするのもあるよ。」

…やっぱりみかんは地元で買うべき…(いや、物々交換するべき)。

関東で高級柑橘といえば「デコポン」が有名だと思いますが、このデコポンは先ほど紹介した清見とポンカンの掛け合わせ。味だけではなく、包丁を使わず手で剥けるという食べやすさも、広く知られるようになった理由では?ということでした。

みかんの厳しい現実

箱詰めされたみかんをチェックする、二宮さんと桜田さん
昔は冬といえばコタツにみかん!お正月用にみかんを箱買い!…という家庭が多くありました。しかし、近年みかんの消費量が激減しています。

最近はみかん以外の果物も多種多様になり、またデザートとして喜ばれるお菓子なども豊富にある中で、珍しくなくなったみかんを選ぶ事が少なくなったのではと言われています。

食べる時に手が汚れる、(手で剥けない柑橘について)包丁を使うのは面倒…などの理由も聞かれるそうです。

さらにみかんそのもの(生食用)よりも、お菓子などの加工品に利用される量が増えているそうです。

そのため形や味がよいみかんが評価されずに加工品用として回されてしまうことでみかんの値段は下がり、その結果、後継者不足や耕作放棄地が増え続けている事に悩まされています。

坂本さん、二宮さん、桜田さんも日々生産状況を把握しながら、様々な情報も集めつつ「もっと三瓶産の良質な生食用みかんを販売していきたい。」とおっしゃっていました。

編集後記

三瓶ではたくさんの方がみかんの生産や流通に関わっています。

厳しい自然と向き合って生産されている方、時代のニーズにあわせたみかんについて日々研究されている方、寒い中で何時間も立って選果されている方…太陽の恵みだけではない、たくさんの三瓶人の愛情が詰まっています。

この記事をきっかけに、今年の冬は三瓶産みかんをご家族で味わって頂けたらなと思います。

そしてご紹介したみかんウンチクを「えっ?知らんの?」などと披露しながら、ご近所さん、職場の方、お世話になった方に三瓶産のみかんを配って紹介してくださいね!
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<< 第三回 三瓶共同選果場(前編)

2013年 ミカメジャーナルオリジナル年賀状

2012年12月22日 土曜日

うしおにとみかんず今年もミカメジャーナルオリジナル年賀状2013年版を作りました!12/21に世界の終わりが来るのに備えてバタバタしていたら、公開が遅くなってしまいました。ごめんなさい。

今年は秋祭り特集で四ツ太鼓を追いかけたので、四ツ太鼓を中心に年賀状をデザイン。

私と同じで世界の終わりが来るかと思って年賀状をまだ書いていない方、ぜひジャーナル年賀状デザインを活用してくださいね。

気に行ったデザイン画像の上で右クリックして「リンク先をダウンロード…」でお使いのパソコンに画像をダウンロードして下さい。印刷用の大きなサイズの画像がダウンロードされます。

※「名前を付けて画像を保存…」だと、小さなサイズの画像がダウンロードされます。小さなサイズの画像は印刷には不向きです。ご注意ください。

また、年賀状を書いて三瓶産みかんが当たるかも!?特別プレゼント企画をご用意しました。2013年の運だめしに、どしどしご応募下さい!
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2013年 ジャーナル年賀状キャンペーン詳細

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facebookアイコン facebookで年賀状人気投票やってます!

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(1)背中で語る四ツ太鼓

四ツ太鼓を担ぐ男たちが背中で語る1枚。
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(2)気持ち伝える四ツ太鼓

コメント欄が大きく、気持ちを伝えるのに最適です。
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(3)今年の鉢合わせ・空

迫力ある2013年の鉢合わせ。
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(4)今年の鉢合わせ・赤

迫力ある2013年の鉢合わせ。
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(5)四ツ太鼓カラーのみかんず

四ツ太鼓カラーと当サイトのキャラクター・みかんずたち。
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【イラスト/デザイン:Koji Nakagawa @ studio tama,syu】
三瓶町(垣生)地区出身。現在関東を中心にキャラクターデザインやWebデザインで活躍中。
小さい頃お神楽でダイバン(鬼)に抱えられた恐怖が今だに忘れられない、エエ歳のおっさん。

第3回 三瓶共同選果場(前編)

2012年12月17日 月曜日


イッチキチミチキタ ─三瓶の社会科見学─
第3回 三瓶共同選果場(前編)
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三瓶町内の企業や商店でどんなお仕事が行われているのか見てみようという、社会科見学のコーナー「イッチキチミチキタ」。

いやー…記事を書き終わってから、そういえばもう4、5年前にそんなコーナーも作ったなぁと思って…無理矢理このコーナーの記事として差し込んだわけですけども…。

第3回目は三瓶といえばみかん!というわけで、三瓶共同選果場にお邪魔しました。

みかん生産は三瓶の基幹産業なのでいつかは取材したいなと思ってはいましたが、なかなかきっかけがなく…。

しかし今年「東京でにしうわみかんのCMを見ました!」というメールや「CMでやってるにしうわは三瓶町も入るのですか?」などのお問い合わせを頂き、やはりこれは三瓶のみかんを広めるべく取材しなければ!と重い腰を上げましたヨ。

前編は選果場の様子を、みかんの流れとともにお伝えします。
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浜に建つ選果場。みんながよく知る建物ですが、中を見たことがある方は少ないのではないかと思います。

選果場を案内して下さったのは、事務所長の坂本さん(右)、選果部会委員長の二宮さん(左)、同じく副委員長・生産委員長の桜田さん(中央)です。

普段は自分たちの畑でみかんを作りながら、この選果場でもお仕事をされてるという事ですから、みかんの事なら生産から流通まで詳しいスペシャリストです!

それでは順を追って見ていきます。

まず三瓶で生産されたみかんは各農家さんである程度の品質・大きさに分けられた後、この三瓶共同選果場に持ち込まれます。

そして農家さんが持ち込んだみかんは、コンテナに入ったままベルトコンベアで選果が行われる2階へ行きます。

ちなみにコンテナとはみかんを入れるプラスチック製の箱(黄色や灰色が多い)で、ひっくり返すと椅子になったり、踏み台になったり、テーブルになったりと色々便利で丈夫なアレです。

まず目視で選果。ここで、目視でもはっきりと分かるくらい傷んでいたり、商品にするのは難しいと思われるみかんを人の手で取り除きます。

さらにもう一度目視での選果の後、細いベルトコンベアに乗せられるみかんたち。ローラーすべり台(?)のようなコンベアに乗せられ、専用ブラシでキレイになります。

その後選果場のブレーンともいえる「光センサー選果機」登場!

この光センサー選果機を通せば、みかん1つひとつについて糖度・酸度はもちろん「着色度」とか「傷害面積」なども分かってしまうのです。

そのデータはパソコンに送られ、管理されています。

毎日たくさんのみかんが来るわけですから、ものすごい速さで判別、データ化がされていきます。

『コノ ミカンハ 糖度・酸度・着色度…ナド 分析 シタ 結果、特秀ノM玉 デス ピピッ…(イメージ)』
と瞬時に認識され、その数値結果によって等級が分けられます。よく箱の側面などにスタンプしてある”特秀”とか”優”とかいうものですね。

光センサー選果機を通ったみかんは、黒いベルトを進んでいきます。写真で見ると黒い1本のベルトコンベアに見えますが、1本のベルトではなく、みかんが黒いお皿に1つひとつ乗っているようなイメージで見て下さい。

センサーで「特秀のM玉」と認識されたみかんが、特秀のM玉を選果するおばちゃん…いや失礼…”特秀のM玉専門の選果ガールズ”…の横に来た時に、そのみかんのベルトの部分だけパカっと開き、みかんを下に落とします。

落ちたみかんはさらに下に流れるベルトの上に落ち、特秀のM玉専門の選果ガールズの手元へと流れていきます。

ものすごい効率化ですね!こんなに効率化に感激したのは、初めて回転ずしに行った時以来です。

ちょうど選果場にチャイムが鳴り響き、機械がストップして、休憩時間になりました。

寒い中で立ち仕事は大変ですね、とお話すると

「今年は裏年やからかね、みかんも少ない方やし、まだまだ今からが忙しいんよ。今はまだヒマな方よ!三瓶のみかんはおいしいけん、いっぱい宣伝しとってよ!」

豆知識:みかんの「表年」と「裏年」
温州みかんがたくさんなる年を「表年」、逆にあまりならない年を「裏年」といいます。温州みかんは表年と裏年を交互に繰り返します。
実をいっぱいつけ使いすぎると、翌年には休んでエネルギーを蓄える…といった具合に、みかんの木自体で実がつき過ぎないようにコントロールしているんだそうです。
関連リンク:ミカン 表年、裏年って何現すの?(JAグループ福岡)

持ち寄った水筒から暖かい飲み物を出して、皆でワイワイ楽しそう。選果のお仕事は体力も神経も使い、さらに寒さとも闘う重労働だと思うのですが、皆さん世間話に花を咲かせながら笑顔。

三瓶のみかんに誇りを持って作業されていました。

こうして品質のデータ化と何重もの目視と機械で厳しく選果され、やっと製品として箱詰め、計量され、主に関東地方に向けて出荷されることになります。

この中で最高品質のみかんについて、三瓶選果場では独自ブランド「しずる」を銘打ち、黒い専用箱に入れて出荷しています。

JAにしうわ管内では、「媛美月」や「日の丸みかん」、「密る(みつる)」「媛匠(ひめのたくみ)」「濱の姫」など、それぞれの共同選果場でブランドみかんを出しています。

そんな中、三瓶共同選果場ブランドとして誕生したのが「雫流(しずる)」です。

先ほど紹介した光センサー選果機で、糖度と酸度のバランスの整ったみかんのみを選び抜いています。贈答用にピッタリの商品ですよ。

ただいま、JAにしうわホームページからも購入できます!
JAタウン 『しずる(雫琉)』 約5kg Mサイズ

また、現在CMにあわせてクレヨンしんちゃんパッケージのみかんも関東に向けて出荷中です。

こうしてみなさんのお手元に三瓶産のみかんが届きます。

みかんの流れが分かったところで、次回は坂本さん、二宮さん、桜田さんからお聞きした、最近のみかん事情についてお伝えします。

県外にお住まいの方必見!多少みかんについて詳しくなり、ご近所さんや職場の仲間にみかんを配りながら知ったかを披露できること間違いなしです!

お楽しみに。

関連リンク
クレヨンしんちゃん出演「にしうわみかん」CM放映中(ミカメジャーナルニュース)

四ツ太鼓を追いました(15日・後編)

2012年10月24日 水曜日

あまりに長くなったので(写真が多くて)、3回に分けた特集「四ツ太鼓を追いました」最終回です。

15日・後編は、本祭お練りから大街道鉢合わせの様子を中心にお伝えします。


とーこーとん!とーこーとん!せーっせ!
とーこーとん!とーこーとん!せーっせ!

お上がりが始まりました。これから1区の朴(ほおのき)にある御仮屋まで練り歩きます。

おっと、早くも四ツ太鼓と大牛の激しい鉢合わせが!


毎年お上がりでも鉢合わせはありますが、今年は特に長い時間盛り上がっていました!

三瓶病院前では四ツ太鼓同士の鉢合わせもありました。

舁き手(かきて)はきつそうだけど、乗り子さんは笑顔。


午後11時過ぎ、1区・朴(ほおのき)にある御仮屋に到着。これから神事奉納がありますが、四ツ太鼓の皆さんは1区公民館に移動して、お昼ご飯と休憩です。

乗り子の洸哉くんもママと一緒にお昼ご飯です。朝5時から色々と忙しい青年団の皆さんも、お世話の合間をぬって一息。

そして秋の晴天を満喫する、フリーダムな人たち。

午後1時。お下がりが出発します。

お下がりは牛鬼とぶつかる事もなく平和(?)なんですが、担ぎ手さんたちは度々重い四ツ太鼓を上げなければいけないので、めちゃくちゃしんどそうです。

しかももう、酔ってるし。

乗り子のお母さん方も、ビデオお練りで忙しそうです。


午後3時頃、大街道に到着です。乗り子の洸哉くんも太鼓台から降りて、一休み。

その後神事や各奉納があり、大街道の中央では鏡割りが行われようかとしていましたが…

ん?何やら…いつもと違う様子…。

なんと!鏡割りが行われず、青年団長さんが四ツ太鼓に戻り…。

大街道に集まっている見物客は「どうしたん?」「何かあったん?」と皆不思議そう。

(はっきりした理由は分かりませんが)どうやら牛鬼が今年は鉢合わせをしないと言ったらしく、それに納得いかない四ツ太鼓。

さあ牛鬼がどう出るか?

様子を伺いつつ、鉢合わせを煽っています。

しかし牛鬼は、大街道中央で大牛と小牛での鉢合わせを始めました。

牛鬼の鉢合わせは盛り上がりましたが、納得のいかない様子の四ツ太鼓は伊予銀行の近まで進み出て、さらに牛鬼を煽ります!

そして牛鬼に背を向けて2台が向かい合わせになると、四ツ太鼓どうしの鉢合わせが始まりました。

その後も四ツ太鼓は鉢合わせを要求するかのように牛鬼の様子を伺っていましたが、結局鉢合わせは行われず、牛鬼は御仮屋に頭を突っ込みました。

四ツ太鼓も青年団長さんと副団長さんを乗せ、御仮屋へ。

鉢合わせできなかったもどかしい気持ちをぶつけるかのように、何度も何度も太鼓台を持ちあげました。

周りからは大きな声援と拍手が起こり、今年の秋祭りが終わりました。

大街道での四ツ太鼓と牛鬼の鉢合わせはなかったものの、今年も三瓶の人たちがひとつになった、いい秋祭りでした。


子供の時に乗せてもらい、大人になったら青年団でお世話をし、担ぎ、子供ができたらまた乗せて、今度は孫を乗せて…という「浜の血」が脈々と受け継がれる四ツ太鼓。

敵対(?)の構図にはなっているものの、今年鉢合わせをしなかった事や中祝いに見てとれる「四ツ太鼓あっての牛鬼、牛鬼あっての四ツ太鼓」というお互いを想う関係が心に染みました。

今年は取材で忙しかったのですが、来年は今年見た様々な事、団長さんのお話、青年団や浜の皆さんから教わった事を思い返しながらゆっくり四ツ太鼓を眺めたいと思います。


翌日青年団長さんに少しだけお会いすることができ、鉢合わせがなくて残念でしたと言うと

「牛鬼がやらないというのなら、それはそれでしゃぁないです。」

とだけ、一言。

決して残念だったという感じではなく『鉢合わせしないというのが今年の祭りだったんだ』という、みんなが全てを受け入れてやり切った…そんな落ち着いた声で答えて下さいました。

…団長さん…疲れていただけでしょうか…。

いや!立派にやりきった男の言葉に違いありません!

最後に青年団長・三好さんはじめ、青年団の皆さん、乗り子の皆さん、浜の皆さん…快く取材を受けて下さった皆様、本当にありがとうございました。

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四ツ太鼓を追いました(15日・前編)

2012年10月19日 金曜日


ミカメジャーナルでは今年、四ツ太鼓を中心に14日と15日の様子を追ってみました。写真も入れて長くなりましたので、2回に分けてお伝えしたいと思います。

…と書いていましたが!

あまりに長くなったので(写真が多くて)、3回に分けることにしました。

15日・前編は、本祭お練り前の様子…特に乗り子さんの準備を中心にお伝えします。


本祭当日にも関わらず、青年団の皆さんは朝5時から竹取りです。

今から担いで、練り歩いて、ぶつかって…なのに、朝5時集合で山に入って竹取りという、体育会系スケジュール。

朝5時集合、竹で額を切って流血しても、カメラ目線でこの笑顔。

一体、祭りの何がそうさせるのか。

午前8時。昨日ほぼ組みあがった四ツ太鼓に、笹や短冊、風船、旗などを付け完成です!

もちろん昨日神社より頂いた御札もセット完了。


太鼓台がほぼできあがったところで、私は乗り子さんのいる「まさえ美容室」へお邪魔しました。

今回撮影にご協力頂く、仲村洸哉(こうや)くん。よろしくね。

洸哉くんの他にも3名の乗り子さんたちが着付と化粧で来ていました。

いやいやながらドーランや口紅を塗られる洸哉くん…慣れない事に他の子供たちも困惑気味。

タイツを履き、着物を着て、紅白のタスキを掛けて…

鼻に筋を入れて鉢巻をしめると…

四ツ太鼓の乗り子さんに変身!

慣れない着物や白タイツを嫌がっていた子供たちも、着付が終わる頃にはりりしく、カッコよくなった自分に嬉しそうです。

左が2区の着物(仲村洸哉くん)、右が3区の着物(河野蓮くん)。2区と3区の乗り子では、着物がちょっと違いますね。

先に広げた状態で着物の写真を撮ればよかったのですが…撮り損ねてしまい…。興味ある方はぜひ今度のお祭りで乗り子さんの着物をよーく見てみてください。


さて、太鼓台も乗り子も担ぎ手も揃いましたよ!青年団の皆さんもネクタイを締め、白半被を羽織りました。

午前10時。お練りに出発です!

(まだまだ続く)

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四ツ太鼓を追いました(14日)

2012年10月17日 水曜日

ミカメジャーナルでは今年、四ツ太鼓を中心に14日と15日の様子を追ってみました。写真も入れて長くなりましたので、2回に分けてお伝えしたいと思います。

今回は祭り1日目・本祭前日の14日、主に四ツ太鼓の組み立ての様子です。


この日青年団の皆さんは、朝6時から組み立て作業を開始。

朝8時頃。私が来た時には、すでに太鼓の取り付けが終了していました。

隙間なくキッチリ巻かれたロープで、しっかりと固定された太鼓。

太鼓台に担ぎ棒を渡して組んでいきます。

担ぎ棒の交差したところにロープを巻くのですが、どこもぎゅうぎゅうに締めあげて、しっかり組んでいきます。少しでもおかしいと思ったら、ほどいてやり直しです。

少しでも緩むとケガや事故につながってしまいます。足で強く蹴っても動かないくらいに縛り上げるまで、かなりの時間を要します。

組み方、ロープの巻き方などにも、皆さんの四ツ太鼓への思い入れを感じました。

午前9時。ようやく1台、形ができあがってきました。この後は太鼓台を飾っていきます。上に五色のざぶとんを乗せてしっかり固定。

周りからは見えない天井ですが、紅白格子模様できれいですね!

隠れていて見えない部分のロープも、実はきっちり、しっかり、丁寧に組まれています。青年団の皆さんはとても手際良く作業をこなしていらっしゃいました。

ほぼ四ツ太鼓完成!笹などの飾りつけは本祭直前に行います。

大事な御札も神社から到着しました。これはそれぞれの太鼓台の一番前に付けます。

「午前中に終わりましたね。毎年昼以降も作業してるんですが、今年は早かったです。」

と青年団長の三好さん。早かったとは言っても、2台組むのにこの人数でも約6時間かかってるわけですから重労働です。

さて、明日はいよいよ本祭です!(続く)

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三島神社(蔵貫)秋祭り

2012年10月12日 金曜日

三瓶町朝立地区で行われるのは國造神社の秋祭りですが、蔵貫地区には三島神社があり、そこでも秋祭りが行われます。

この二つのお祭りは同じ日に開催されるため、私が三瓶町に嫁いできて7年…蔵貫まで車で10分くらいなのに全く見る機会がありませんでしたが、今回蔵貫区長さんのご協力で練習を見せて頂くことができました。


夜7時半頃、三島神社には小学生の男の子たちと青年団の方々が集まりました。
神社で行われるのは唐獅子の練習。だいたい小学3~6年生くらいの子が唐獅子の担当です。

柱が太鼓のかわり。ちょっとずつ歴史が刻まれるようで趣ありますね。青年団長・笹田さんが厳しく優しく指導中。神様の前で、練習にも力が入ります。

神社での練習風景は風情がありますね。練習用の太鼓は神社の柱。長年そうされてきたのでしょうか、叩かれた部分は削れてきていて歴史を感じます。

唐獅子の指導をするのは青年団の皆さん。青年団長・笹田知宏さんはじめ、昔を懐かしみながら、また今年の祭りを成功させようと、唐獅子の指導を行っています。

中には上手にできない!と、自分に腹が立って泣きだしてしまう男の子も。

國造神社の唐獅子や有名な八幡浜の唐獅子と比べると、唐獅子の頭はひとまわり大きて重く、踊りは丁寧で温和な印象を受けました。

練習を見ていると、なんだか三島神社だけずいぶん時間がゆっくり流れているような、そんな感じがします。
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青年団の方たちの前で緊張&真剣!國造神社のお祭りと違い、三島神社のお祭りの主役は御神輿(おみこし)です。3基の御神輿が繰り出します。

御神輿を通せんぼする係のような存在の牛鬼は中学3年生を中心に、四ツ太鼓は乗り子さんの親御さん、親戚、地域の人で担ぎます。

御神輿の下をくぐると御利益があると言われており、夜に行われる御神輿の走り込みが迫力があるそうです。

蔵貫地区でも朝立地区と同じように揚(上げ)と浜に分かれ、それぞれ役割があります。大まかに言うと揚は五ツ鹿担当、浜は牛鬼、四ツ太鼓、唐獅子担当です。

しかし近年、若者が仕事で都会に出てしまう影響で青年団の人数も減り、揚の五ツ鹿ができなくなってしまったとのことです。また五ツ鹿が復活する時が来るといいですね。

練習を見に来られた、後藤眞之区長にお話を伺いました。

― 担ぎ手や継承者不足は蔵貫でも問題なんですね。

人数少ないねぇ。

もちろん地域全員で担ぎ手集めたり、向こう(國造神社)の祭りも同じ日やから、三瓶町内の祭りがない地域の人にも手伝うてもろたりして、いろんな人に協力してもろうとるんやけど。

でもこの地区のこの人数で、よく続いとるもんや感心するよ。

今年はほら、そこの男の子。この前引っ越してきたんだけど、人がおらんから言うて参加してもらっとるんやけど、この短い間によく唐獅子の踊り頑張っとるよ。

去年の写真。衣装も立派ですね!─ 三島神社のお祭りは青年団が中心に活動されているんですか?

やっぱり青年団が一番の働き手よ。

これからお祭りに向け牛鬼の修復作業もあるし。祭りの日もいろいろ準備あるし、担がないかんし、飲まないかんしで皆大変やね。

― いつ頃から蔵貫のお祭りは始まったんでしょうか?

うーん…昭和8年頃の写真が飾ってあるし、ずいぶん古いんやないかなぁ?けど、その辺は宮司さんにでも聞かんとなかなか分からんなぁ。
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そこで練習を見せて頂いて興味がわいたので、三瓶町誌で三島神社秋祭りの歴史について読んでみました。

三島神社の渡御祭(とぎょさい)は貞享(じょうきょう)四年[1687年]に始まったとされています。その時は

弓矢と金幣(金色の御塀)を奉持することになって、今日に至っている。

とありますので、神輿や練りが出ることはなかったようですね。

寛永二年[1749年]に正殿が改装されたという記録があり、

この時三体の神輿の渡御が始まったと思われる。

とあります。

その後『御祭礼御道具三つ揃、神輿担ぎおよびねり定め』が記されています。

天保八年[1837年]九月九日定
三島神社御祭礼御道具三つ揃
一、御長柄、上げ、同、浜
一、御鉄砲、浜、同、上げ
一、御弓、浜、同、上げ
隔年

明治十九年十月三十日
三島神社神輿担ぎおよびねり定め(上げ)
神輿かつぎ…戸別割、捧鼻、脇かつぎ、本肩
御長柄、御鉄砲、御弓…但し三道具の警固は三か村より一名宛出役す
相撲…片山五名、谷平三名、川原二名、但し警固は片山より一名、谷平、川原より一名、行司 谷平、片山
鹿踊り…是(これ)まで通り

すでに鹿踊りが『是まで通り』とあるので正確には分かりませんが、三島神社秋祭りのお練りが形作られたのはだいたい明治十九年[1886]…今から約120年前ではないかと思われます。

三島神社の秋祭りは先に書いたように神輿が中心ですが、この神輿を担ぐ人数について、明治~大正時代にはその数がしっかり決まっており、揚の人と浜の人の戦い(?)があったようで

輿担ぎは上げ十五名、浜十五名、計三十名の青年が奉仕する。一神輿十名(上げ五名、浜五名)で担ぐので、口論も激しかったが、明治、大正と続いてにぎやかな祭りが行われた。

と、ご丁寧に書いてあって笑ってしまいました。「これは三瓶町誌に書いておかな!」っていうくらい口論が激しかったんでしょうね。当時の勢いがよく伝わりますね。
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青年団長の笹田さんは、普段はこんな真面目に写らない人だと思います。皆江在住の特派員が三島神社秋祭りに参加するというので、じゃぁついでに写真お願いしよう!と言ったら、区長さんと青年団長さんに

「ええっ!?そら無理やで!みんな酔うとるし、立派なカメラがめちゃくちゃになってまうで!」

…と、止められてしまいました…。

というわけで、来年か再来年か…できる限り早いうちに、私自身が三島神社秋祭りの一部始終を取材したいなと思います(酔っ払い特派員は貴重な担ぎ手ですから、心おきなく酔っ払ってもらいます)。

蔵貫の皆さん、今年の秋祭りも楽しく頑張って下さいね。『口論も激しいけど、にぎやかな祭り』の噂を聞けるのを、期待しています。

2012年11月21日更新:練習風景の動画をyoutubeにアップしました。

[引用:昭和58年発行「三瓶町誌 下巻」]

四ツ太鼓の中祝い

2012年10月3日 水曜日

2007年撮影 四ツ太鼓

皆さんは國造神社の秋祭りに向けて「中祝い」というのがあるのをご存じでしょうか。

祭りの練習が始まってからお祭り当日までのスケジュール中間あたりで、関係者代表や乗り子さん、その親御さんが集まり、今年の祭りの成功を願ってお酒を酌み交わします。

四ツ太鼓の中祝いなのに、祭りで敵対している揚の牛鬼(大牛・小牛)の役員さんも呼んでおもてなしするという、なんともお祭りの心意気が伝わる「隠れた」お祭りです。

余談ですが、私は福岡の海に面していない平野出身で「浜(はま)」とか「揚(あげ)」という言い方がピンとこなかったのですが、海岸に近い方が「浜」、海岸から離れて山沿いになると「揚」…海沿いの地域では結構一般的な呼び方なんですね。

今年はその中祝いを、青年団長・三好勝也さんと青年団・紀伊野弥さんのご協力で取材させて頂きました!contents_line

みんな揃って乾杯!

10月22日夜、会場である2区公民館にお邪魔しました。

団長さんのお話に続いて乾杯!…その後団長さんは接待でお忙しいということで、副団長の岡昭光さんにお話を伺いました。

― 岡さんは小さい頃、四ツ太鼓に乗られたんですか?

僕は乗りました。当時どうやったのかあまりよく覚えてはいないのですが、練習の時に泣いていたのは覚えていますよ(笑)。

昔は乗り子が16人いて交代で乗せることがあったくらい子供が多かったんですけど、最近は少なくて。今年8人乗るのは多い方です。5~6年前に8人乗ったことがあるけど、それ以来じゃないかな。

― ところで、四ツ太鼓と牛鬼というのはお祭りでは敵対するイメージですが、こうやって一緒に酒を酌み交わすような中祝いっていつ頃からなんでしょうか?

さぁ…いつ頃というのは分からないですが、もうずっと一緒に中祝いをやっていますよ。

それで祭りが終わって今度は『花開き(ご祝儀を開封する)』があるでしょう。その時には僕ら四ツ太鼓が牛鬼に呼んでもらう、という形です。

― お互い呼び合っているんですね。それは知りませんでした。

確かに祭りでは四ツ太鼓と牛鬼は敵対していて、祭り中にお互い罵倒したり、喧嘩したりもしますけど(笑)それはその時だけ!その場で終わりですよ。

お互い盛り上げて一緒に祭りを作りあげるという感じですね。

青年団団長・三好さん。みなさんへの気配りがステキです。青年団副団長・岡さん。すでに酔って子供に絡まれてます。― 岡さんの四ツ太鼓へのこだわりってありますか?

今と昔では時代も違うしいろいろ習慣も変わってきてるけど、四ツ太鼓には四ツ太鼓のこだわりがありますよ。

例えば絶対四ツ太鼓は地べたにつけたらいけん!タイヤ(四ツ太鼓を移動させるための車)付けんぞ!とか。

今でも頑なに守ってるし、そういうこだわりが誇らしいです。

― 昔とちがって過疎化が進んできて、乗り子さん同様担ぎ手さんも少なくなったのでは?

確かに住んでいる人は少なくなりましたが、今でも祭りとなれば帰ってくる人も多いし、今年は青年団に新人が3人入ったので盛り上がると思います。

ただ今年は平日なので…皆さん休みが取りづらいっていう状況もあって、そういうのが心配ですよね。

そういえば去年はカレンダーは休日でよかったんですが、雨が降って藁(わら)が濡れて重くて…ざぶとんもずぶぬれでした。

― そうだ!思い出しました!去年は雨で鉢合わせが中止になったんでしたね。

えええっ!?それ忘れてもろたら困りますよ!!

― すみません!!

今年はそのリベンジいうんですかね。豪快に鉢合わせしたいですよね!なーんか、こう、去年はもやもやしたまま終わった感じが…不完全燃焼いうんですかねぇ…。

牛鬼の人たちも同じ思いやと思うんです。

だからこそ、今年は絶対鉢合わせして盛り上げるぞ!と皆思ってますよ。

区長さん、各役員さん、しめ縄作りの方…みなさん祭り話で盛り上がってます!― 最後に、岡さんはこれから祭りをどういう風にしていきたいですか?

三瓶のお祭りは愛媛県でも珍しいと思うんです。

牛鬼がある別の地域の人からも『鉢合わせは珍しい。』とか『最後神様に首突っ込むなんて、えらいことしよる。』とかいう話を聞くし、他にはない特徴がいろいろあると思う。

だからもっとよそからも見に来てもらいたいと思うし、そのために市からももっと情報発信して欲しいですね。ミカメジャーナルでも、どんどんやってくださいよ。

僕たちは祭りが盛り上がるように、そして続いていくように頑張ります。

岡さんからは祭りを大事にしたい、自分たちの世代も積極的に協力して守りたいという想いがよく伝わってきました。

こういう若い世代の方の力は、少子高齢化の三瓶にとっては本当に心強いことですね。
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三度の飯よりざぶとん投げ岡さんにお礼を言って会場を見渡すと、大人の酒で退屈している子供らが和室でワイワイ。

ざぶとん投げに、ざぶとんすべり台…。

そのホコリにもめげず盛り上がっているお母さん方にも、ちょっとお話を聞きたいと思います。

今年6歳の洸哉(こうや)くんを四ツ太鼓に乗せるという仲村さんご一家。洸哉のお母さん・愛さんにお話を伺いました。

― 洸哉くんを四ツ太鼓に乗せようと思ったきっかけは?お父さんが乗られたからですか?

いいえ、私が浜の出身なんです。女の子は(当時)四ツ太鼓に乗せてもらえんかったので、うらやましかったですね。乗ってる男の子見ながらいいなぁと思っていました。

浜に実家がありますので、そのご縁で今年息子を乗せることにしました。

憧れの四ツ太鼓に息子を乗せることができて、嬉しいです。

― ではお父さんも初めての参加なんですね。

そうなんです。息子が出るからということで、初めて参加するんです。

お父さんにしてみれば、嫁さんに無理矢理ひっぱり出されて、まだ何が何やら分からんうちに今日の中祝いに来たっていう感じかも(笑)。

仲村さんご一家。真中の青いシャツが、今年主役の洸哉(こうや)くん。― 乗り子さんのお母さんということで、大変なことはありますか?

当日も料理を準備したり子供の世話したり大変だと思うんですけど、今は練習の送り迎えが大変ですね。

でも子供ものりたい!って言うし、自分の憧れもあるので楽しみです。

― 四ツ太鼓の乗り子の衣装や化粧は華やかですよね。それもお母さんがどなたかに指導受けてされるんですか?

いいえ、朝早くから地元の美容師さんにして頂くようにしています。

ぜひその着付けも見てみたい!お願いして、本祭当日に洸哉くんの1日を取材させてもらえることになりました!
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というわけで、四ツ太鼓取材はまだまだ続きます!お楽しみに!

仲村家の取材は予定です。当日大変お忙しいところにお邪魔しますので、都合により取材ができない場合があるかもしれません。ご理解、ご了承ください。

鴫山・穴井・周木・垣生 GARDEN-手の中の風景-

2012年8月15日 水曜日

しばらく間が空いてしまいました、Garden-手の中の風景-です。

今回は鴫山から穴井に抜け、周木・垣生間に新しくできた道を走ります。(3月撮影)

注意:そうそう、大事なことを忘れていました。この企画では山道を通っていますが山道はほとんどは農道(つまり私道)ということを忘れないでください。どこからが公道でないのか自分も分からないところがあるので一緒にしていますが、農道は農家の方が農作業のためにお金を出し合って作った道です。観光のため車で乗り入れて道に停めると農作業の迷惑になりますので絶対なさりませんよう。

まずは三瓶の朴から八幡浜方面へあがっていきます。
今回も普段通らないような山道からの集落ショットをお届けします、お楽しみに!

鴫山

三瓶-八幡浜ルートを途中で砕石工場に向けて左に折れると鴫山です。

すぐ砕石工場がみえてきます

砕石工場

昔からするとずいぶん山、削れましたよね?

まるでお城みたいな石垣

砕石工場の脇を通って進めばすぐ鴫山です。

集落に入りました。細い道を通るとショートカットに。

集落を過ぎたところから

鴫山公園。行ったことないので今度いこうかな

鴫山の集落をもう一度

鴫山は小さな集落ですが山の集落らしくて本当にきれいですね。和泉に較べるとそんなに登らなくても着くので交通の便がよく、山の道を使えば横平、穴井と八幡浜方面に抜けられるところもポイント高いです。意外と住み良いのではないかと。

穴井(八幡浜市)

鴫山から一山越えただけでそこは穴井です。
ただし、下まで降りていくにはかなり時間がかかります。
延々続くみかん畑、町中もなかなか面白いのですがここは隣国八幡浜市。ここでは特に紹介せずスルーの方向で。

穴井の町、海に浮かんでいるのは大島です

さあ、ここからが大変です。地図でみてもらえば分かるのですが、穴井から周木へは山の道がなく海沿いに進むしかありません。かなりの距離で強風も吹いており、車も通るので一番の難関です。歩きでは正直つらいのですががんばって歩きましたよ。

周木

疲労困憊で池の浦で少し休憩し、進み始めました。暗くなると撮影できなくなるので、ここから時間との戦いになってきました。

池の浦が見えてきました

池の浦、周木の間は大きな道が通りました。歩道が広いのでウォーキングしている人もけっこういます。

池の浦-周木の道はだいぶ新しくなっています

左が新しい道、右はもう通れませんが古い道

周木の集落を通って山に向かいます。
今までは海沿いの道を通っていたのですが、今回初めて7年ほど前にできた周木から垣生へ抜ける道を通ることにしました。

周木の集落を山に向かって進みます

大池がありました、風が強かったのでさざなみたっています

山に向かってつづらおりにすすみます

周木の向こうに巴理島がみえます

やばい、日が暮れてきました

さらに進んだところから周木をもう一度

さらに進んだところから・・・太陽が隠れてしまいました

周木-垣生の道はきれいです

途中でどこかの集落が見えました。二及・・・?

歩いてみてびっくり!道幅も広く、全線ガードレール完備。これはただの農道ではなさそうです。海側の国道は道幅が狭いので迂回路として作られたのかもしれません。この道を知れば周木はかなり近く感じることができそうです。

垣生

ようやく垣生です。朝立トンネル、そしてその向こうに潮彩館もみえます。うわ、周木と三瓶、近い!と驚いた瞬間です。
海沿いを廻るよりよっぽど早いと思います。

垣生がみえてきました

垣生だー!

今回歩いた道はここで確認できます。
このルートは海沿いがあるし長くなるのできついですね。穴井と三瓶が山の道で通じていれば・・・と思うのですがみつけることができませんでした。
そういえば垣生のから穴井への抜け道の伝説を聞いたことがあるような。いずれその道を探してみたいと思います。